座敷わらし
◇座敷わらしの宿全焼◇
今月四日の夜、「座敷わらし」という妖怪の目撃例が多いことで有名な温泉旅館が火事で全焼するという事故が起きました。
場所は青森県との県境に位置する、岩手県二戸市金田一で、そこの小さな温泉街に一九五五年に開業された緑風荘(りょくふうそう)という名前の旅館です。
幸いにも、宿泊客や従業員などに大きな人的被害は無かったようですが、建物が全焼したため、二年先まで入っていた宿泊予約を全てキャンセルするという事態になってしまったそうです。
◇座敷わらしとは◇
この座敷わらしとは、岩手県を中心に東北地方にある言い伝えで、「妖怪」というよりも「精霊」などと呼んだほうがいいような存在です。
由来には、口減らしのために間引かれた(殺された)子供の霊、という悲しいものや、近くの川から上がってきた河童が家に住み着いたものなど様々あるようです。
この座敷わらしは、家の人や訪問客に悪戯をするともいわれますが、そのようなマイナスの面よりも、主に家の守り神のように扱われ、見た人には幸運が訪れるだとか、座敷わらしがいる家には富がもたらされる、というプラスの存在として言い伝えられています。
当然座敷わらしがいる家には富がもたらされるのですから、その家から座敷わらしが出て行くと、途端にその家が没落していくとも言われています。
今回の事件が座敷わらしが出て行ったから起こったことなのか、それとも座敷わらしのおかげで、被害が少なく済んだのかは分かりませんが、何にしても全焼した緑風荘にはぜひとも、またもとのような繁盛する旅館に戻り、後者であったことを証明して欲しいと思います。
◇故郷のシンボル◇
今回、相続と関係の無いこの話を持ち出したのには私的な訳があります。
実はこの金田一という温泉街は私の家の本家(父親の実家)があるところで、小さな頃は毎年夏休みになると遊びに行っていました。その本家も以前は小さな温泉旅館を営んでいましたが、今は後継者がいないことからやめてしまったと聞いています。
いつまでも昔の思い出のまま、ということはあり得ないとは分かっていても、一つまた一つと自分の故郷やルーツが無くなっていくような気がして寂しさを感じてしまい、今回このような話を取り上げさせていただきました。









